直音

直音とは、拗音や促音などの変化を伴わない、日本語の基本的な仮名音節を指します。

仮名文字で表される「ア・イ・ウ・エ・オ」や「カ・キ・ク・ケ・コ」などのように、1つのかな文字で1音節を構成し、濁音や半濁音、促音、小書き仮名を含まない素の形の音が直音にあたります。たとえば「きゃ」や「しゅ」は「き」＋小書きの「や」、「し」＋「ゆ」による拗音であり、これに対して「き」や「し」は直音です。また、「っ」を用いた「きって」などの促音や、「ゃ」「ゅ」「ょ」などの小書き仮名を伴う音も直音には含まれません。

直音は、日本語を構成する音の基本単位として、五十音表の配列に基づいて学習や文字入力などの基礎となります。印刷や文字コード処理においても、直音はデフォルトの文字として扱われることが多く、フォント設計や校正作業では、これを基準に視認性や文字間のバランスが調整されます。

直音の明確な理解は、発音や文字入力の正確性を保つうえで不可欠であり、教育や出版、DTPの現場でも重要な概念となっています。