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福耳エラーとは・・

  • 執筆者の写真: kohei
    kohei
  • 2024年11月8日
  • 読了時間: 4分

更新日:2024年11月13日

■ 突然ですが、福耳エラー品をご存じでしょうか?


福耳エラーの単行本
福耳エラー品

  紙工業や印刷業に携わっている方ならご存じかと思いますが、福耳エラー品とは、紙幣や冊子、リーフレット、説明書などの製造工程において、断裁時に角が折れたまま裁断されたものを指します。

折れた部分が仕上げ寸法よりも大きく残り、耳のように飛び出してしまうため、この不良品を「福耳エラー品」と呼んでいます。

「福耳」というと縁起の良い響きですが、製造側からすれば単なる不良品であり、クレームの原因となる厄介な存在です。

しかし、消費者の中には、このような不良品に価値を見出す方もいるのです。

実は、福耳エラー品を手にしていると、ちょっとしたお小遣い稼ぎになることもあります。


 

■ 希少価値からプレミア価格が付く


  特に紙幣や人気漫画などでは、福耳エラー品が希少価値を持ち、プレミア価格で取引されることがあります。

オークションサイトやフリマアプリでは、100円札が50,000円、100ドル札が450,000円、さらには人気漫画が30,000円で取引されている例もあります。意外にも欲しい人はいるものですね。

 

■ 資料として購入してみた



福耳エラー_ドラゴンボール


  資料として「ドラゴン〇ール」の不良品を購入しました。もちろん、紙工業を営む当社なら、意図的に不良品を作ることも可能ですが、やはり知名度のあるものの方が資料としてのリアリティがあります。

中古品ですが、新品価格の2倍以上の1,000円ちょっとで入手しました。購入したのは「ド〇ゴンボール超」。もしこれが初版の「Z」だったらもっと高価だったでしょうが、手頃なものを選びました。

この本は2023年6月に発行されたもので、比較的新しいものです。それでも現代の技術では避けられない不良があることが分かります。この冊子の不良は、角が数センチ折れた状態で丁合工程で折れてしまったものと思われます。よく見かけるタイプの不良です。



福耳エラー_ベジータ
(ベジータさん?)

 

■ 収集癖が発症…?



  資料として1冊では物足りず、さらに購入してみました。今回は「ニッコールクラブジュニア」という冊子で、発行は昭和61年。


ニッコールクラブ_福耳エラー
ニッコールクラブは、ニコンのカメラ、レンズ愛用者の親善を目的とした写真団体である。とのこと。

ニコンユーザーのためのコミュニティクラブの会報です。

当時の写真やデザインに触れていると、ノスタルジーを感じずにはいられません。

今回の不良品は、ページがつながったまま裁断されたタイプの福耳です。いわゆる「折丁」の角が折れたまま裁断されたもので、これもよくある不良の一つです。



折り丁の角折れによる福耳エラー

 

■ 大きめの福耳も発見


  さらに面白い不良を発見してしまいました。



福耳エラー_単行本
スー〇ーマリオ君


購入したのは「スーパー〇リオくん」。コ〇ココミックに連載されていた漫画ですが、今も連載が続いている長寿作品だとか。

子どもの頃から親しんでいたこの漫画には、懐かしさを感じます。

私と同世代の方なら共感いただけるのではないでしょうか。




エラー本

福耳エラー_印刷前
大き目な折れ


今回の不良は、大きく折れた部分がインパクトのある福耳。

印刷の初期段階で折れてしまったものと思われます。

これはこれは良い資料として活用させていただきます。

 

■ 人のミスを集めるのは複雑な心境ですが…


  福耳エラー品はコレクターにとっては価値のあるものかもしれませんが、製造側にとっては頭を抱える原因です。

私たち折りの丸新も折りや断裁を生業としていますので、不良品が発生する原因には深く共感します。どれだけ環境や設備が整っていても、ミスは完全にはなくなりません。

 

■ そしてきれいな流れでPR


  では、どうすればよいのか?

製造工程でミスを100%なくすことは難しいですが、ミスを検出して出荷前に排除することは可能です。当社が開発した「HY-CHECKER」はそのための装置です。



HY-CHECKER


最小1mmの中折れでも検出できる高精度な検査装置として、私たちは自信を持っています。製本ラインにも組み込めるため、同業者の皆様にぜひお試しいただきたいと思います。



 

■ 福耳エラー品の収集は続く…


  「HY-CHECKER普及による福耳エラー品撲滅作戦」の一環として始めたこの収集活動ですが、時代背景やストーリーを探る楽しさから、ちょっとした趣味に変わりつつあります。

今後も珍しいものがあれば紹介していきますので、どうぞお楽しみに。

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ウラのマルシン

会社で起こったこと、展示会などイベントに関すること、日々感じた何か、等々、

マルシンのウラ側をゆるく、時にかたく綴ります。

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