
いんく
インク
Ink
インク
インクとは、文字や図像を紙や素材に転写するために使われる色材入りの液体・ペースト状の物質で、筆記具やプリンター、印刷機などで幅広く使用されています。
印刷業界では、これと同じものを「インキ」と呼ぶのが一般的であり、日常語の「インク」と区別して使われています。この呼び分けには語源の違いが関係しています。「インキ」という言葉は、江戸時代中期に蘭学とともにオランダ語の “Inkt” が日本に伝わったことに由来し、「阿蘭陀墨(オランダすみ)」と呼ばれていました。そのため、日本の印刷文化においては、英語由来の「インク」ではなく、「インキ」という表記が先に定着したと考えられます。
現代では、万年筆やプリンターなど筆記・家庭用途には「インク」、オフセット印刷やグラビア印刷など業務用印刷に使われるものには「インキ」という使い分けが一般的です。さらに、「インク」は水のように粘度が低い液体を指す傾向があり、「インキ」は粘度が高く、印刷機でローラーを使って転写されるような濃厚なペースト状のものを指すこともあります。
たとえば、家庭用プリンターでは「染料インク」や「顔料インク」といったインクが使われますが、印刷工場では、印刷方式や素材に応じて、油性・UV硬化・水性など多様なインキが使い分けられています。これら印刷用インキは、印刷物の発色や定着性、乾燥性などに合わせて高度に調整された専門材料であり、製品の品質に直結する重要な要素です。
つまり、「インク」と「インキ」は呼び方の違いだけでなく、導入された時代背景や使用される場面、粘度や成分の違いに基づいて区別されてきた言葉です。どちらも正しい表現ですが、印刷業界においては「インキ」の呼称が長年親しまれ、今なお現場で使われ続けています。
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