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しゃしんしょくじ
写真植字
Photo Lettering
写真植字
写真植字とは、写真技術を用いて文字を組版する技術であり、「写植(しゃしょく)」と略されて呼ばれることが一般的です。
この技術は、活版印刷の代替として、またデジタルDTPが普及する以前に、効率的で美しい文字組みを実現するために広く使用されました。特に1950年代から1980年代にかけて印刷業界の標準技術として採用され、書籍、雑誌、広告、ポスターなど多様な印刷物の制作に大きく貢献しました。
写真植字の仕組みは、専用の写植機を使用して行います。この機械には、文字が彫られたフィルムやプレート(文字盤)が搭載されており、文字を光学的に投影して感光紙やフィルムに写し取ります。その後、現像処理を施し、印刷用の原稿が完成します。これにより、活版印刷に比べて均一で精細な文字組版が可能となり、特に日本語のような複雑な文字体系でも高品質な仕上がりを実現しました。
写植は、活版印刷に比べ作業効率が高く、文字の大きさや形状、間隔の調整が容易であるため、タイポグラフィの自由度が格段に向上しました。この技術は、活版印刷が持つ熟練工依存の課題を解決し、特に戦後の印刷需要の増加を支える中核的な役割を果たしました。
1980年代以降、パソコンやDTP(デスクトップパブリッシング)の普及により、写真植字は急速に廃れました。しかし、写植がもたらした文字組版技術の進化や、美しいタイポグラフィの実現は、現代のデジタル組版に大きな影響を与えています。写真植字は、印刷技術の進化の中で重要な過渡期を象徴する技術として位置付けられています。
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